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【9】試作の結果は想定以下、でもそこから3件目の特許が生まれることに

前回、ものづくり補助金でデザイン性にもこだわったフライヤーを試作したことを書きました。ところがデザイン的には成果を上げたものの、肝心の性能は想定を下回るものでした。

油の劣化抑制性能を比較するため、それぞれ5日間かけて延べ30数時間の調理を行って比較しましたが、劣化抑制性能および油ハネの抑制性能は一般フライヤーよりやや良かったものの違いはわずかで、期待には達しませんでした。

 

特にオイルミストの抑制性能は比較した一般フライヤーに負けてしまいました。こんなはずでは無いと思いながらも現実は現実、思い直して、原因究明と改良のための研究開発が始まりました。

劣化抑制性能が今ひとつだった理由は明らかでした。傾斜した油槽底部の周辺部とヒーターとの距離が近過ぎ、沈殿した揚げカスがヒーターと接近したため一部が炭化してしまい劣化が進んだと考えられ、1年前の試作機CFT-01では起きていない現象でした。

間隔を自由にできるヒーター等で実験を繰り返す

それ以外の原因究明は簡単ではありません。ヒーターに関しては前年に試作したCFT-01と似た構成ではありましたが、これまでヒーターに関する研究が不足していたこともあり、様々な条件でヒーターを実験することにしました。

実験で初期に多用したのは下の写真のヒーターでした。

 

 

加熱部が直線状のヒーターを多数作り、間に木片を入れて間隔を調整して束ねるという簡単なものでしたが、簡単なだけに自由度が高く、それが良かったと思われます。

実験を重ねた結果、補助金で製作した試作機の性能が期待に達しなかった原因は解けて行きました。
CFT-02では、油が高い温度のヒーターに接触することによる劣化を抑える目的で、表面積あたりの発熱量を抑えることに主眼をおいていました。

そのためには表面積を大きくする必要があり、ヒーターの延長は長くなり、一方ヒーター間の間隔は狭くなりますが、この狭さが水分が落下することを妨げることにつながっていました。

それは感覚的にも理解しやすいことだと思います。ところが厄介なことに間隔を広げれば表面積は小さくなるので、単位あたりの発熱量を上げる必要がありますが、これを上げればヒーターの表面温度が上がり油の劣化が促進されるというジレンマがあります。

3件目の特許技術で油ハネは激減

こうした中で、これまでいろいろな実験や経験を重ねていたからこそ、3件目の特許につながる発想が生まれたのですが、残念ながら今は詳しく書くことができません。

独立した2つの要素を両方実施した場合に効果は最大になるので、予算が十分にあれば両方を同時に出願した可能性もありました。

どちらを優先するかを考えた末、片方をメインに、もう片方を下位の請求項にいれて出願しました。今後資金が捻出できた場合や、マッチングの結果4件目を共同出願することなども考えられますので、ご理解お願い致します。

内容的には誰でも「その方法なら油ハネは減るに違いない」と思える方法です。合わせてオイルミストや油の劣化も抑えられ、そのうえ美味しさまで向上します。そしてこれまで説明して来ましたクールフライヤー技術との組み合わせで、最大の効果を生むものです。

以上のように補助金で行った比較実験での低評価から、1年後には新たな特許出願まで行うことができましたので、災いを転じて福と為す、でしょうか。

ただ、この技術を実装した試作機の完成は、まだちょっと先になってしまいます。工場を持つ会社なら、数分の1の期間で進められたと思うと残念ですが、持たない会社ですので仕方ありません。

今年も残すところわずかになってしまいました。
本当に1年は早いです。2020年の前半に製品を出すという目標に向かって頑張りたいと思います。

 

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