量産のための資金調達を行うべく、会社説明資料を修正しています。
その一つが「事業を通じて実現を目指す3つの貢献」について明確化したことです。
今日は、当社が目指す3つの貢献について説明します。
起業した動機にも書きましたが、フライヤーによって劣化抑制性能が異なることを知り、もっとシンプルな構造でこれを実現できるのではと考えました。
また、一般的にフライヤーは油ハネ、油煙やオイルミストをまき散らす汚れの元凶です。ところがフライヤーを変えたことにより厨房がきれいになったという話を聞き、さらに高い性能を実現できる可能性があると感じ研究開発を開始しました。
そして10年かかって実際に完成したクールフライヤーは、当初思い描いていたよりもさらに高い性能を実現しました。
こちらで書きましたように驚異的な劣化抑制性能を実現しました。
なんと言っても油が劣化しにくいことはおいしさと健康に繋がり、売り上げの増加に寄与し、油の消費量が減ることで経営に貢献します。
さらに、当初は描いていなかった効果も確認できました。
一般的なフライヤーでは、どうしても下の写真のように油槽の壁面に汚れが固着してしまいます。この清掃はけっこう大変で、飲食店やコンビニでアルバイト泣かせの作業です。
ところが、クールフライヤーでは炭化した微細な固形物のほとんどが沈殿してしまうため、汚れの固着とその成長が抑えられ、スクレイパーで付着物を落とすことが可能です。
このような特長を活かして、「調理終了後1分で帰れるフライヤー」が実現しました。
これがそれを実現する油の回収装置です。クリックすると動画もありますので見てください。(動画で動作の装置は旧試作です。)
安価に実現する為にタンクは樹脂製です。熱い油が入ってくると熔けてしまいますので、タイマー設定により調理後の油が冷えるのを待って動作する構造となっています。
しかも動作する時間は30秒程度でサイフォン状態になり、あとは静かに、翌日使用できる油だけを回収します。
早く帰りたい閉店時に危険な作業をする必要がなく、翌日の作業も5~6分程度で完了します。
これらを始めとして、経済性、安全・快適性、清掃運用性、おいしさと健康すべてにおいて高い性能を発揮することで飲食業とそこで働く人々への貢献を実現します。
正直なところ開発に着手した時点では、ここまで言えるようになるとは思っていませんでした。
ところが3件の特許を実装した試作機での調理を多くの皆さんに見てもらう中で、「この性能が家庭用で実現出来たらすごい、ぜひほしい」という声をたくさん頂きました。
最初の特許出願時点から家庭用は意識していましたが、ここまでの性能を出せるとは思っていませんでした。
日本では唐揚げブームと言われるほど、誰もが揚げ物が大好きです。ところが油ハネやオイルミスト、後片付けの面倒などで家庭での揚げ調理は敬遠されています。
キッチン家電メーカーなどと協業ができれば、揚げ調理から遠ざかりつつある家庭に揚げ調理を回帰させることができるはずです。
この可能性に着目してくれた通販会社が、昨年12月の増資で1000万円を出資してくれました。
一方、クールフライヤー技術は食品製造ラインで使われるような規模の大きなフライヤーにも応用できます。
この特長に着目してくれた大手食品企業がすでに2社、共同研究や協業へ向けての活動を開始してくれています。
クールフライヤー技術によりさらにおいしく健康的な製品を実現することや、業務用及び家庭用においての共同プロモーションも考えられる状態となってきました。
ということもあって、キッチン家電メーカーとの協業もかならず実現できると確信しています。
こうして飲食店等の業務用、家庭用、食品工業用の分野においてクールフライヤー製品・技術が浸透していけば、やがて日本と世界の食文化に貢献できることになります。
油ハネやオイルミストが少ないことで、今までなかった調理メニューの開発や、今までにない店舗の開発も考えて頂けるのではないでしょうか。
環境にやさしいフライヤー、いかにして河川や海、排水系に負荷をかけないかということは研究開発の開始当初からのテーマでした。
その後SDGs目標が制定されて徐々に浸透し、この目標が私たちと地球の未来を考えるときに喫緊の課題であることに共感しました。
そしてSDGs個々の目標について考えたとき、クールフライヤーがいくつもの目標に貢献できることを確信しました。
2.飢餓をゼロ
3.すべての人に健康と福祉を
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
これらについてはこちらで少し詳しく書いています。
今回作成の資料ではこのようなページを設けました。
ちなみに近年ではパームオイル(図のサーモンピンク部分)の消費量が最も多くなっていますが、乱開発などの負の面も指摘されています。
当社だけでできることでは毛頭ありませんが、その一助にはなれる可能性があります。
というわけで、今後3つの貢献を目指すことを明確化しました。
1.飲食業とそこで働く人々への貢献
2.日本と世界の食文化への貢献
3.地球環境とSDGsへの貢献
次回は以下のテーマで書きたいと思っています。
当社のビジネスモデル=3つの事業領域による相乗効果