お知らせ

【1】油中で水分を落下沈殿させることが最重要、という発想に至るまで

<フライヤーの研究開発をすることになったきっかけ>
10年以上も前の一時期、新しいフライヤーの開発事業に関わったことがありました。

その後事業は頓挫しましたが、私は揚げ調理にはまだまだ未解決の課題があることやユーザーが望んでいること、解決できる可能性があることを知りました。

時々思い出してフライヤーの構造について考えていましたが、あるとき「これなら」という構造を思いつき友人たちに話したところ、面白そうだからやってみようということになりました。

<そもそもフライヤーと揚鍋の違いって何?>
これからフライヤーの研究開発の話を書いていくわけですが、難しいところはありません。ただ、「そもそもフライヤーと揚げ鍋の違いって何よ」という人もいるかもしれないのでちょっとだけ書いておきます。

鍋でも揚げ調理はできるわけですが、盛大に油ハネします。これは食材についている水分や食材から放出された水分が、下から加熱する鍋では逃げどころがないので気化する以外ありません。

ところがフライヤーでは油の入った油槽の中段にヒーターがあり、底部は低温に保たれるようになっています。水が油より重たいことにより、油中に放出された水滴は大きいものほど沈みやすいので、気化せずに落下沈殿します。

またフライヤーでは揚げカスも低温領域に沈殿できますので炭化が進みにくく、浮遊しにくいので揚げものの見た目も良く、油の劣化も進みにくいという特長があります。

ただ家庭用と称して販売されているものでは底部から加熱するなど、揚げ物器ではあってもフライヤーとは言えないものもあります。

<最初の実験機でわかったこと>
さて、友人のつてを頼って実験機を作ってもらいました。

 

実験機

 

「これなら」と思った方法はうまく行かなかったのですが、その実験機の油槽の側面に耐熱ガラスによるのぞき窓を設けて、内部を観察することでいろいろなことがわかって来ました。

①調理を行っていても油槽の下部は安定していて油に動きがないこと。
②食材から発生した細かい霧のような水滴が、底部に向かってゆっくり降下すること。
③上部の高温層と下部の低温層の境界には目視できる境界面(真横から見ると水平の線)が生じ、これをよく見ると小さなセル状の対流が無数に生じ低温層と高温層がせめぎ合っていること。

これら実験観察とさまざまな考察により、次第に「フライヤーにおいて水分を落下・沈殿させることが最重要」だという確信が生まれました。

このためには、ヒーターより下部の油の温度を気化が生じない80℃以下に保つことが必要で、ヒーター直下を冷却する構造が必要となります。
一般的なフライヤーにおいてもクールゾーンなどの名称で低温である領域を設けていますが、それは最深部の小さな領域でしかありません。

加熱手段であるヒーターと冷却の位置が近接すれば熱効率が悪くなるのはセオリーですが、わかったことの③で書いた発見の印象から、私は必ずしもそうならないのではと考えました。

後に弟が「二層熱対流系における混合課程」という研究論文を見つけてくれたのですが、私の印象を裏付けてくれるものでした。

 

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用途に併せた、
2つのラインナップ

クールフライヤーは、これまでは当たり前とされて来たこれらの課題を、シンプルな水冷構造と加熱制御(技術解説をご参照ください)のみで解消することに成功しました。

CFT-7
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小型 / 卓上型

小型 / 卓上タイプの
クールフライヤー

小~中規模店舗や、食材を分けての2台使いなどにおすすめです。
 

CFT-18
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標準型 / 自立型

2024年11月発売
(一都三県限定)
揚げ調理量が多い店舗向けの
クールフライヤー

リザーブタンクを活用した揚げカス自動排出機構付き。揚げカス処理の手間を省き、揚げカス由来の油劣化も抑制します。

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