下の写真は一般的なフライヤーで長時間調理を行った場合の油槽底部の写真です。多くのみなさんは串揚げ店のフライヤーや、お肉屋さんでコロッケを揚げている揚げ鍋の黒い油を見たことがあるのではないでしょうか。
でもなぜ黒くなるのか、知っている人は少ないと思います。油自体が変色したように思えますが、実はそうではありません。
それがよく分かるのが次の写真です。
上の写真にあるような底部の油を、揚げカスと一緒にボトルに詰めたものですが、時間が経つとこのようになります。ただし、ここまで透明な状態になるには半年から1年かかります。
PM2.5という微細な固形物が空気中に漂っていることや、気体であるナノバブルが長時間水中に漂っていられることは良く知られています。
これらと同じように調理によって発生した微細な固形物は、油の中で長時間漂うことが可能。とくに揚げ鍋においては下から加熱されるので、微細な固形物は浮遊し続け、油が高温であることによって炭化が進行してしまうというわけです。
こうした状態を見て、私たちは油が黒く変色したと感じてしまいますが、実際はそうではなく、上の写真のように長時間経過すれば微細な固形物は沈殿し、油そのものは透明な状態であることがわかります。
もちろん強く撹拌したり、下から加熱してしまえば元に戻りますが、一度沈殿してしまった微細な固形物は、少々の振動を与えた程度では元の浮遊状態には戻りません。
きちんとした構造のフライヤーでは加熱手段であるヒーターが油槽の中段にあり、底部は冷涼に保たれる構造となっているため、揚げ鍋に比較して水分や揚げカスが底部に落下沈殿することが可能であり、色の進行が緩やかで油の劣化も進みにくいわけです。
ところが一般的なフライヤーにおいては、【2】一般フライヤーの構造と課題でも指摘したように、底部の温度は容易に上昇してしまい、そうなれば油の色も劣化も進行してしまうことになります。
一般フライヤーで底部の温度が上昇してしまうことは、【7】たまたま遭遇した、一般フライヤーでの気泡沸き上がり状態(動画)で見た通りです。
一方、クールフライヤーでは”水分の落下”を促す目的で油槽下部の油を水冷していますが、同時に、揚げカスを”常時沈殿促進”する効果も果たしている訳です。
このため調理中においても微細な固形物の沈殿性能は高く、また一度沈殿した固形物が再度浮遊することもなく、さらに沈殿した状態で炭化が進行することもありません。このため油は透明度を保ちやすく、劣化も進行しにくいわけです。
ところで先日投稿しましたベンチャーキャピタルが来社、クールフライヤーの可能性に共感を頂きました。(動画あり)では、約3ヶ月間頻繁に調理を行った油が透明度を保っていましたので、本当なの!?と思われた方も多いと思います。今回の説明で納得して頂けましたでしょうか。
さらに多くの方に納得頂けるように、今後はきちっとした実験計画に基づいて実験を行い、その結果を写真、映像を含む劣化抑制性能の記録として公開して行く計画です。
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