ところが申し訳ないことに私が卓上タイプを先行発売することに路線を修正したため、宙に浮いた状態にになっていました。
なぜそう考えたかと言う理由はこうです。
飲食店において、お客さんを含めた人との距離が近い卓上型の方が、油はねしないことやオイルミストが少ないクールフライヤーの特徴が生かされやすい、というのが第1です。見えるところで使われるからこそ、高いデザイン性も生きます。
第2は、卓上型の場合インターネットで購入される比率も高く、流通ルートが確立できていない段階での販売には有利だと考えたからです。
そして第3が、自分で日常的に触ることができて実験できるためには小型卓上型である必要がある、と言うものでした。
この結果製品事業は数年間遅れることになりましたが、その決断をして良かったと今でも思っています。なぜなら、小型卓上型を目指したため思っていなかった課題にぶつかり、それを解決する過程で第三の特許のアイデアに繋がったからです。
また身近にあることで頻繁に実験することが出来、多くの知見を蓄積することができました。
そして今、第三の特許を実装する卓上機の基本開発は完成域となっていますので、この技術を大型化するのは比較的容易なのです。
先日お世話になっている特許事務所の先生から電話があり、上の写真の試作機を預かって頂いている会社の社長と話をしたそうで、開発を再開したい意向を持っていることを知りました。
そもそもその会社との出会いは特許事務所の先生の紹介でした。
私も気にはなっていて今年になってからもメールを出したのですが、気づいてもらえなかったのか返信がなく、長く放っておかれて怒っているかもしれない、と感じていました。
そんなわけで現在進行中の劣化抑止性能試験が一段落したころ、来社していただいて卓上機を間近に見てもらい、相談をすることになりそうです。
卓上型の事業化資金さえおぼつかない状態ですから、自立型の事業化資金は当社にはありません。ただ、このところ色々な繋がりができて来ましたし先方の会社としての事業化投資ということもあります。
また先方も中小企業であり横浜市内の企業でもありますので、補助金や融資制度の利用という方法もあります。
以前に書きましたベンチャーキャピタルやキッチン家電メーカーも今回の実験は注視しています。
自立型機についての話し合いがどのようなものになるかはわかりませんが、前向きな話であることは間違いなく、良いニュースです。